草木や自然石で縁取られた池のように広い露天風呂、満々たる乳白色のお湯、夜ともなればランプの灯りが湯煙を照らす…こんな情景をテレビや雑誌等でご覧になった方も多いのではないでしょうか。こんにちの秘湯ブームの火付け役になったともいわれる「鶴の湯温泉」です。乳頭温泉郷の中で、最も古い歴史を誇る当温泉は、長らく秋田藩主の湯治場としての役割を担っており、1638(寛永15)年には、二代目佐竹義隆公が訪れたと由来記にあります。350年前のたたずまいを今に伝える茅葺き屋根の「本陣」は、当時、警護に当たった武士が詰めたところなのだとか。一般の湯治客を受け入れるようになったのは江戸中期の元禄年間からで、泉質の異なる4種の湯が人々を癒してきました。今では、潤沢な湯の恵みに加え、古き良き日本の原風景・面影を色濃く残す湯の里として、多くの温泉ファンの心をとらえています。料理は、四季折々の山の幸を中心としたヘルシーなもので、とりわけ大和芋の団子とキノコなどを味噌仕立てにした「山の芋鍋」は、滋味にあふれる故郷の味と大好評です。
温泉INFORMATION
七湯すべてが異なる泉質と効能を持つ。すべての宿で立ち寄り入浴が可能。黒湯温泉のみ11月中旬〜4月中旬まで休業。車で東北自動車道・盛岡ICから国道46号で秋田方面へ、田沢湖町内に入って生保内交差点を右折、国道341号に入る。1qほどで右折、県道127号西山生保内線で乳頭温泉郷をめざす。公共交通機関はJR田沢湖駅下車、駅前から羽後交通バス乳頭線に乗車。高原温泉もしくは終点の乳頭温泉下車約45分。バス停からの道のりは各宿泊施設へ。問い合わせ: 田沢湖観光情報センター・フォレイクTEL0187-43-2111