教えて下さい。
友だちの結婚式でスピーチを頼まれましたが、
お祝いの席で言ってはいけない言葉があると聞きました。教えてください。
(千葉県 ナオさん)
お答えします。
●女神様に祝福されて、6月の花嫁は幸せ。
ジューンブライドに憧れる気持ちの表れでしょうか、6月の声を聞くと、
結婚式のおよばれの機会が増えるという方も多いようですね。
ところで「6月の花嫁は幸せになれる」という言い伝えは、
何に由来するのかご存知でしたか?
そもそも6月=JUNEは、古代ローマ神話に出てくる女神ユノ
(Juno、英語読みでジュノー)が語源となっています。
ユノは女性を加護し、結婚を司る女神であり、主神ユピテル(ジュピター)、
技術の女神ミネルヴァと並んで、最も崇拝されていた神です。
女性の守護神ユノが祝福してくれる6月に結婚した花嫁は、
幸せになれるというわけです。
結婚式にまつわる欧米の言い伝えを、もうひとつご紹介しましょう。
挙式当日の花嫁が身につけると、必ず幸せになれるという
「サムシング・フォー」です。4つのサムシングとは、
- 1.サムシング・ニュー(何か新しいもの)
- 2.サムシング・オールド(何か古いもの)
- 3.サムシング・ブルー(何か青いもの)
- 4.サムシング・バロー(何か借りたもの)
です。晴れやかな日に寄せて、縁起をかつぐ心持ちは、洋の東西を問わないようですね。
●結婚式のスピーチでは、言葉をたいせつに。
冠婚葬祭の席で縁起が良くないとして避ける言葉を「忌み言葉」といいます。
忌み言葉は、慶事、弔事、そして地域によっても違いがありますが、結婚式の場合、
一般には次のようなものが挙げられます。
- ・引き裂かれるイメージ
- 切る、切れる、離れる、別れる、破る、破れる
- ・安定のなさをイメージさせる
- 去る、出る、戻る、追う、追われる、帰る、繰り返す、飽きる、退く
- ・不幸をイメージさせる
- 滅びる、苦しい、薄い、浅い、嫌う、失う、冷える
- ・再婚を連想させる
- たびたび、重ね重ね、再び、皆々さま
- ・不吉な音の言葉
- 四、塩、梨
忌み言葉はマナーとして心得ておきたいものですが、緊張のあまりうっかり、
ということもあることでしょう。あわてて言い直したりすると
かえって目立つ結果になりますから、
そのままスピーチを続けたほうがよいようです。