さまざまな人生の折り目・節目を、ともに喜び悲しむ冠婚葬祭。相手を思いやる気持ちをあらわし、結ばれた縁を大切にしていく習わしは、日本の長い歴史のなかで育まれてきたものです。
袖すり合うも多生(たしょう)の縁
通りすがりに見知らぬ人と袖がすり合う・・・そんなささいな事でも偶然に起きたわけではなく、前世からの因縁(いんねん)によるものだということ。仏教からきた考えがもとになったことわざで、「多生」は何度も生き変わることをいいます。また、前世と来世のことを意味する「他生」と書くこともあります。
「多生」を「多少」と読み、「少し縁がある」と解釈する場合があるようですが、それは間違い。本来は「この世に生まれる前にいた世」からずーっとつながれてきた縁という意味なのです。
さて、もうすぐ21世紀。新しい時代に、どんな新しい出会いが待っているのでしょう。ひとつひとつの巡り会いを大切にしていきたいですね。